三井物産プラスチック 新卒採用情報サイト Mitsui & Co. Plastics Ltd.

エントリー

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Project Storyベルトからウィッグ、
そして釣り糸へ。
発展の鍵は情報収集力

機能材料本部
中部産業材料ユニット
丹生 勝也(2007年入社)

顧客のニーズに対応した柔軟な営業活動

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丹生は入社以来、中部産業材料ユニット(名古屋市)に所属して営業活動を行ってきた。東京の本店と地方支店では担当の振り分けにやや違いがあり、本店では商材別におおむね部署や担当者が分かれているが、地方店は基本的に販売先の顧客ごと。担当顧客のニーズがあれば、事業本部の垣根を越えて様々な商材を提供する。 また、顧客の求めに応じて手がけ始めた商材で新たな顧客開拓を進めることもあり、販売先と商材を縦や横に自在に結びつけてビジネスを広げていくのが地方支店の営業ならではの醍醐味と言えそうだ。
1つの商材、1つの顧客をきっかけに広がることの多いこうした営業活動には、その時どきで大きな流れのようなものがある。そして最近の丹生の動きを見ると、「滑り」が1つのキーワードになっているようだ。
「今、進んでいる新しいビジネスの1つがウィッグ用の人工毛髪です。あるメーカーから引き合いがあり、人間の毛髪に近い風合いや櫛通り、滑りの良さを実現する製品の開発に取り組んでいます」
丹生の言う製品とは、添加剤の工夫によって潤滑性を高めた合成樹脂製の糸で、染色を施したのちウィッグの1本1本の毛となる。なぜこのような案件が立ち上がったのか、それには前章とも呼ぶべき、長年をかけたまったく別の取り組みがあった。

人工毛髪の原点になった、ベルトコンベアのベルト開発

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人工毛髪の前章、それはベルトコンベアのベルトだった。合成樹脂の繊維を編んで作るタイプのもので、ベルト上に載せて運ぶ製品に汚れが移るのを防ぐため「滑り」の良さを目指して開発が進められていた。滑りが良ければベルトへの汚れの付着を抑えることができ、ひいては運搬する製品に汚れが移ることも防げる。
しかし、生産設備に使われるものだけあってとくに高い耐久性が求められ、その評価には時間を要した。着手から7年、8年。結局、その間では目標の品質にまで達することができず、やむなく開発を中止した製品があった。何とそれが、人工毛髪用の材料として息を吹き返したのである。汚れを防ぐための潤滑性が、人工毛髪が求めていた滑りの良さに合致したのだった。
「材料としてはとくに手を加える必要もなく、ほぼそのまま転用できました。ただ、少し前に試験販売を始めてみるとユーザーからいくつかの要望が出てきたので、今はその解決に取り組んでいるところです」
自分の髪の毛でも、冬の乾燥した時季などにブラッシングをしていると毛先がまとまりにくくなって困る人も少なくないだろう。樹脂から作られる人工毛髪もどうしても静電気が起きやすくなるが、その難題を乗り越えてこそ自分たちの存在価値が生まれる。そうした想いで丹生は今、課題解決に取り組んでいる。

この糸は釣り用のテグスにも使えないか?

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開発中止となったコンベアベルト用の繊維は、人工毛髪とは別の形でも新たなビジネスにつながろうとしている。その製品は釣り用のテグスで、この繊維の存在を偶然知った顧客企業の別の技術者の興味を引いたのだった。
「実際には、コンベアベルトの開発を再開できないかと、より耐久性を高めた製品の提案を行ったのがきっかけでした。この提案は先方の事情でペンディングになったのですが、社内での情報の共有があったのか、テグスを担当する別の技術者の方から引き合いが来たのです。滑りが良ければ、岩場などで釣り糸が引っかかったときに切れるのを抑えることもできますから」
こうして1つの原料や製品から思いもかけない用途が生まれるのがプラスチックの面白いところで、丹生はあらためてテグスに必要な性能を確認し、製品の再調整を始める。潤滑性と耐久性を適度なレベルで両立させる原料の配合量は見えてきたが、それをどう製造のしやすい形状にするかが現在の課題だという。 「今のままの原料の形では、生産ラインで使いにくいという意見が寄せられています。例えば、粉ではなく粒状のほうが使いやすいといったことです。この課題を解決すれば、次に進むのがフィールドテスターによる評価。試作品をヘビーユーザーに使ってもらい善し悪しを判断するテストです。私も釣りをするので身近に感じられるし、ぜひとも製品化につなげたいと考えています」「粘着剤の代表的な用途にテープがありますが、ブラジルのテープの品質は日本や欧米で作られているものと何ら遜色はありません。ただ、そうした品質の製品をなぜ作ることができるのかを理解していないんです。”問題もないし、変える必要もない”というのが基本的な姿勢でした」

「摺動部材」という新たな分野

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こうして「滑り」に関わる仕事が広がる中、1つの新聞記事が丹生の目に止まった。ベアリングや軸受けといった摺動部材向けプラスチックの記事で、摺動部材には摩擦を抑えるよう滑りが求められる。また強度が重要となるため、従来は高価なエンジニアリングプラスチックが使われていたが、あるメーカーが同等の性能を備えながらより廉価なものを開発したと報じていた。
「別の仕事で関わりのある会社だった、というのもこの記事が目についた理由でした。そこで早速、摺動部材に詳しい他の部署の人間にも同行してもらい話を聞きに行きました。見込みのありそうな製品なので、同行した彼が自分の顧客に紹介しているのと同時に、私自身も新たな顧客開拓を進めています」
丹生は中部支店以外にも視野を広げて活動を行っており、まずは関西で興味を示す顧客を得たという。
「関西支店の営業担当者を経由して話が届きました。その担当者自身も取り引きを広げたいと考えていた顧客で、この製品がちょうど先方のニーズに合っていたことから話が進んだようです」
ニッチな分野ばかりで、と謙遜しながら最近の取り組みを話してくれた丹生。とはいえ過去に遡れば、小さなきっかけを大きなビジネスにつなげた経験も少なくない。幅広く情報を集めてチャンスをつかむ地道な努力。それもまた商社で働く者にとっては欠かせない。

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